身の回りに自分より技術の高い人間を置くと、創作活動は楽しくなる

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振り返れば小学生のころから書いていた完全黒歴史の小説から始まり、僕も青春から社畜までを創作活動に費やして生きてきました。

その中でも音楽は、僕にとって非常に大きなウェイトを占めているものであり、今後も一生続けていくものなんだろうなと思います。

そんな音楽ですが、一時期辞めてしまおうかと思った時期がありました。
2011年に僕は「三年幻想郷」というベスト盤を出し、東方アレンジはこれで一旦区切りにしました。

2011年「三年幻想郷」

2011年「三年幻想郷」

区切りにした理由は色々あったのですが、その中でも一番大きな要素が、「音楽作りが楽しくなくなった」というものでした。これまた色々な理由や要素があるのですが、大きかった要素としては、自身の技術向上を感じられないというものがありました。

技術向上というのは自身では体感しにくいものなのですが、僕は「1曲作るごとに、新しい技術や考え方を取り入れる」ということをやってきました。
こうすることで、確実に自分の引き出しと技術力が増えるだろうと、そう思ったわけです。

結論からいうと、その考え方は正しいと思います。でも欠点があるのです。
それをこれからお話します。

「新しさ」がなくなると、音楽制作は辛くなる

でも、その「新しい」ことがなくなれば、どうなるでしょうか?

「新しい」というのは、新しいジャンルを作る、新しいサンプリング素材を使う、新しい機材を買う。何でも良いんです。新しいことをやれれば。

東方アレンジを量産していた頃は、音楽の仕事をしている方や同じ道を目指す人間たちと色々な情報交換をしながら進めていました。
しかし、このCDを出した後からはそういう繋がりが途絶え、周りに音楽を作っている人が減ったのです。

なぜそうなったかというのは簡単で、神乃木製作所が旧体制での活動が続行できなくなったからです。
これは僕自身、曲の量産に疲れていたというのもかなりありますし、活動スタイルを変えたこと自体はあまり後悔してないです。

話を戻すと、「新しい」ものというのは、2つのものから吸収できます。
1つめは自分。2つめは他人です。

そして、1つめの「自分」による新しいものの追求は、必ずあるところで限界がきます。無理なんです。
じゃあそこでぶち当たったとき、何が大切か? というと2つめの「他人」になるんですね。

僕はその「他人」を周りに置かなかったせいで、「新しい」を追求することができなくなってしまいました。2011年頃から2013年の途中頃まで、殆ど曲を作ることができず、何より辛い状態を過ごすことになったのです。

しかし、結果的には自分は、音楽制作をするしかないんだろうという強迫観念めいた欲求から音楽制作に戻ってきたわけです。

音楽制作に復帰してからやったこと

再び音楽制作に復帰してからやったこと。それこそが、2つめの「他人」を自らの近くに置くことです。
特に、自分より技術のある人間を周りに置くのが大切です。でもそれだと吸収しっぱなしになるので、出来ればお互いに参考にしあう面が多いような人を置くのが理想です。

最近、自身に欠けている能力は、特に「エンジニアリング力」と「楽典の知識」だと感じています。
特にエンジニアリング力については、音質に直結する問題であります。

音質なんて一般の環境ではあまり気にならないものかもしれませんが、曲の品質を決める最重要ポイントだと僕は思います。
どんだけ良い曲が作れても、音質が悪かったらその曲は死んでしまいます。

だからこそ、僕はより良い音質を追求し、自身の曲をなるべく良い形で届けられるような、そんな方法を探すことにしました。

ソンさんのマスタリング

そんな中、知り合いのソンさんという方に、「この前神乃木さんがニコ動に上げていた曲をマスタリングさせてほしい」という提案を受けました。
ソンさんは同人分野で既に何百曲もマスタリングを行っている実力者で、技術や知識もかなりある方です。

ニコ動には僕がマスタリングしたものをアップしており、それなりに音質面でも満足していたのですが、ソンさんのマスタリングは僕のその「満足」とは何だったのか? と問いなおすレベルのものでした。

マスタリングというのは、音量を上げて、聴きやすくするための音楽制作の最終段階です。

音量を上げるだけのマスタリングは、機材とある程度の技術があれば誰にでもできます。でもそれ以上の「付加価値」をつけていくのが、マスタリングエンジニアの仕事なんだろうなと僕は思いました。

例えば「この楽器をもっと聴かせるにはどうするか?」とか、「ここをうまく魅せたい!」とか、そういう曲のトータルバランスを考えて、0コンマ数dbの世界で細かく数値を調整していくのが、マスタリングという工程なのです。

それをソンさんは自分なりに僕の曲を咀嚼し、どこを魅せるのかも含めて、理論がしっかりと通ったマスタリングを出してくれたわけですね。結果は言わずもがなです。素晴らしいです。

僕自身がマスタリングエンジニアとして生きていくつもりは全くないですし、音楽自体もしばらくは趣味のままになるとは思います。
しかし、そういう風に「すげえ!」って思えるものを見せられると、やっぱりやる気になるんですよね。
「俺もこの技パクろう」って思うわけです。

これが、さっき言った「新しい」部分なんですよね。

こうやって新しい部分を吸収して自分の作品にフィードバックしていくことが出来れば、音楽制作は楽しく出来るんだと思います。

身の回りに自分より技術の高い人間を置くことで、創作活動は楽しくなります。

ソンさんのマスタリングはまだアップできないのですが、取り急ぎ自分のマスタリングした作品については以下から視聴できます。

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