【艦これアレンジ】南方海域強襲偵察! 昼戦BGMのオーケストラアレンジを投稿しました!

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神乃木です。

さてさて、今日は約3ヶ月ぶりの作品投稿となります。

記憶に残る名曲、「南方海域強襲偵察!」の昼戦BGMのオーケストラアレンジを投稿いたしました。

今回は初めてのオーケストラアレンジということで、12月頭の製作開始から、ひたすら試行錯誤の毎日でした。

そうこうしているうちにオーケストラ音源のQLSOが届き、一旦完成したものの、「音が微妙だな……」ということで更にストリングス音源「CineStrings」を追加購入。

度重なる修正を経て公開という、結果的になんとも労力と金のかかったアレンジになりました。

今回のアレンジで特に気を使ったポイントは、「曲に物語性(ストーリー)を持たせること」です。
僕がいつも見ている映画音楽作曲家のブログでは、「曲には常にゴールがあり、ゴールまで聴衆を導くのが音楽だ」と言っています。

これを自分なりに解釈し、工夫してみた結果が今回の曲です。

正直オーケストラをやっている人からすれば、譜面や演奏、まだまだ至らない部分も多々あると思いますが、少しでもその辺りが伝われば幸いです。

制作の裏側

というわけで本ブログでは、更に今回の曲作りを掘り下げ、どういうふうに考えてこの曲を作ったのか、自分にとっての振り返りとしても記録しておきたいと思います。殆ど自己満足です。
まずは曲の構成から。 アレンジ構想当初から、「原曲通りのアレンジにはしない」というイメージがありました。

原曲だと前奏部分・メインテーマ・サブテーマの3パートで合計1分程度しかないので、それだけにしちゃうと少し物足りないなと思ったからです。
ですので最初の課題は、いかに原曲の成分を引き伸ばすかというところでした。

制作風景

制作風景

とはいってもやはり限界はあるので、前回のトランスアレンジでも使用した夜戦の曲からもフレーズを拝借することにしました。
他の曲(具体的には工廠の曲)も途中まで入れて作っていたのですが、そうすると今一つ曲から勢いが無くなってしまったので今回は無しにしました。

なんとなくですが、「最初に主題を出す」→変奏する→「主題を出す」という流れは当初から頭のなかにあって、そこに載せるストーリーも、「かっこいい」→「寂しい」→「悲しい」→「かっこいい」みたいな感じの波を作ることを考えていました。

こうした検討を経て、最終的に落ち着いたのが現状の構成。
イメージしている物語と共に、曲を振り返っていきたいと思います。

前奏(開始~)

原曲の前奏から受けたイメージは、「これから戦いが始まる!」というイメージそのものです。そこに不気味さと不安が少し入り混じった感じ。

 前奏からトバしていく案もありましたが、やはり前奏は少しおどろおどろしい感じを盛り上げて行きたかったので、最初は少し音の数を減らし、時間をかけて前奏を行うことにしました。 最初に鳴る低音のチューバは開戦の合図となる船の汽笛をイメージしています。前作ではソナーをイメージしたサウンドを入れたので、今回は汽笛ですね。ちょっとわかりにくいかもですが。

「不気味」な感じよりは「戦い」をイメージしたかったので、序盤のうちに一気にオーケストラヒットが入るようにしました。ここで明確に「敵」と「戦い」の存在を認知させます。

そして徐々に緊張感を高め、弦のトリルが入り、テンションがMAXになったところで……! あえてそのままメインテーマには移行しません。

一小節だけなのですが、シロフォンの4分音符で緩衝になる部分を設けました。これも結構悩んだのですが、緊張感を高めたものをクールダウンさせるという目的と、後に続く弦のフレーズを聞き取りやすくするという目的があります。原曲のフレーズとは異なって弱起にし、「次にこのストリングスが入るよ!聴いてね!」というのを強調しています。

クールダウンさせた理由は、まだ曲の序盤だからです。沸騰してきたお湯に無理やり水を入れて熱を下げるようなことをしています。本当に沸騰して欲しいのはもう少し後ですからね。

一回目のメインテーマ(30秒~)

というわけで始まったメインテーマですが、まず原曲から受けたメインテーマの印象は、「勇壮・クール・頼りがいがある・かっこいい」です。前奏部分の不安感と緊張感を一気に蹴散らすような、安心感さえも与えるようなフレーズですね。

この印象のうち、ここでは「クール」「頼りがいがある」を中心に表現することとし、まずメインテーマ前半は弦がクールに低音部分を奏でるようにしました。そして、後から金管が頼りがいを感じさせるフレーズを奏でる感じですね。後半部分はお決まりの弦と金管の掛け合いとしました。

間奏(53秒~ オリジナル部分)

メインテーマを演奏したらすぐに間奏に入ります。メインテーマが少し物足りなかったかもしれません。また、原曲を聴いている人なら「あれ、次のパート来ないのか」と思うかもしれません。その微妙な物足りなさを蓄積し、後に繋げていくようにしています。

しかし、物足りなさを打ち消すようにここで転調。ここは原曲の前奏を変奏し、コード進行を変更しています。イメージとしては、戦いは落ち着いたものの、戦局が変わって予断を許さない状況といったところです。

間奏部分の8小節が終わるとドラムが入ってきます。ここは純粋なオーケストラアレンジでは有り得ないですが、作りたいイメージはゲーム音楽であったため、アリだろうと思って入れました。またテンポを事実上半分にすることで、リズム感に変化を産むようにしています。

また、ここでは母港のフレーズをホルンに演奏させることにしました。戦局が変わり、戦闘中にふと母港のことが頭によぎるような場面をイメージしています。

間奏(1分17秒~ 原曲部分)

そんな邪念を振り払うかのように、シロフォンと弦の駆け上がりで更に次のパートです。ここは原曲部分をほぼ尊重しました。イメージとしては一旦の決着、もしくは膠着状態ですね。

ただ、後に来る三連符の伏線として、シロフォンだけが三連符でコンコンコンというフレーズを続けています。

そして若干不自然とも言えるレベルの大きな三連符の転調。ここで「戦いはまだ終わっていないんだぞ!」ということを呼びかけています。

更に、少し走り気味でホルンがモチーフを奏でます。そのモチーフが夜戦のテーマ。これは「艦これ」のBGM全体で使われているので、今回も使ってしまおうという判断です。その後のトランペットのカウンターフレーズも、夜戦のボス戦から拝借してきました。ここでのモチーフは、次の楽節で同じメロディが使われることの予告でもあります。

ここで終わったかに見えた戦いに新たな敵が訪れ、しかもそれが強そうである、というのがこの部分でイメージしたことです。

艦これメインテーマのアレンジ部分(1分41秒~)

さて、ここでこの曲は一気にトーンを落とします。弦と金管主体で進んできたメロディが、一気に木管主体に切り替わります。ここはまさに回想シーン。過去にどんな戦いがあったのかとか、亡くなった仲間がいるとか、そういったことを回想させる「哀」とか「寂」の部分ですね。

ここの演奏は正直なところもーーー少し感情をこめて丁寧にやってほしかったのですが、今の僕では打ち込みの技量が足りなかったのでまだまだ勉強が必要だなと思ったところでもあります。

楽節の終わりは大きなクレッシェンドで、次の泣きのフレーズに繋げます。

原曲メインテーマの変奏部分(2分6秒~)

この部分では、寂しい回想シーンから一気にストリングスが駆け上がり、情熱的なメインテーマの変奏が流れます。前の寂しさを乗り越えるような、確実に一歩ずつ前に進むような、感動を呼び起こせるようなイメージで作りました。

ここでのポイントは、メインテーマのコード進行が一部変更されていること。同じコード進行が2回続くのはちょっと飽きるかなと思い、1つ目のマイナーコードをメジャーコードにしてみました。こうすることで、より「以前とは違う」という部分を強調し、また飽きさせないように工夫をしたつもりです。

リズムについても、実質テンポを半分に落とし、原曲のイメージである「勇壮」をより全面に押し出すようにしました。

楽節の終わりは、いよいよ最終決戦が来ることをイメージし、最大限のクレッシェンドを溜めに溜めるブリッジにすることにしました。

原曲メインテーマx2回(2分30秒~)

ブリッジから待ったなしで、再び一気にメインテーマが訪れます。ここではシロフォンの緩衝地帯はありません。そのまま決戦に突入するイメージです。今までの微妙な焦らし感を極力解消できるように、もう少し言うとカタルシスを感じられるようにするため、このような繋がりとしました。

コード進行は前回の変奏時をそのまま使用しています。「今度は、今までとは違うんだぞ(だから負けないぞ)」という強い意志を表現しています。

フレーズの終わりにピアノの煽りが入り、もう一回メインテーマがリピートします。これで完全にテーマを印象づけます。

そしてさらにダメ押しのもう一回。ここでは4小節をスタッカートの強打でまとめ、いよいよ決着が付きそう=曲が終わる印象をつけることにしました。その後の4小節は完全にまとめにかかっており、戦いが(一端は)終わったことをイメージしています。

アウトロ~終わりまで(3分32秒~)

アウトロは、曲も終盤にさしかかり、いかにもまとめにかかったように思えたところで、再び前奏のフレーズが用いることにしました。「え、終わりじゃなかったの??」と思う方もいらっしゃると思いますが、ここは「戦っても戦っても次の戦いが訪れる」という理不尽なニュアンスを込めるため、再び前奏に戻る形を取りました。ここだけ抜き出してループにしたら1時間耐久とかの動画が作れそうですね。(真顔)

ただ前奏をくどくど続けてもあまり意味はないので、簡潔に3回だけ繰り返し、一番最後はシンプルなオーケストラヒットで締めとしました。

おわりに

長くなりましたが、今回の曲は以上のようなストーリーに基いて展開を構成しています。こういう感じの展開を作るのは初めてだったのですが、作っていて面白いなと感じました。

自分の曲の最初の聴者は自分ですから、やっぱり自分が聴いていて良いなと思える曲を作らないとダメだなぁと思いますよね。

その一方で、特に打ち込み技術やマスタリングを中心にいくつか課題も残ったので、そのあたりは今後の努力目標にしたいと思います。特に音量については、動画サイトの他の動画に埋もれないよう結構無理して出しているので、上手い妥協点を探りたいところです。あと、QLSOはともかく、ストリングス音源のCineStringsはかなり扱いが難しい音源です。重たいし。エンコードについても、ブラウザによっては音と映像がズレたりするので課題ですね。

というわけで、新年1曲めはこちらの「艦隊決戦 Orchestral Version」でした。今年も神乃木製作所をよろしくお願いいたします!

 

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