こんばんは神乃木です。ブログの記事デザインを変えてみました。いい感じになっていい感じですね。
さて、イギリスからは帰国しましたが、今回もイギリスの話。今回はロンドンから日帰りで遊びに行けるスポットを探してみることにしました。
そして目をつけたのは世界遺産のストーン・ヘンジとイギリス唯一の天然温泉のバースです。海外までいって温泉とか贅沢じゃんね。
こういう旅程を組むときには予めベルトラなどの日帰りツアーサイトを参照してモデルコースを確認し、自分なりにアレンジしていくことがおすすめです。「人気順」とかにすると売れ筋の目的地もわかるので一石二鳥ですね。
では、旅程の解説とレポをしていきます。
目次
旅程
今回の日帰り旅行は、旅程にするとだいたい次のような感じになります。
ロンドン(ウォータールー駅)—特急列車(1:30)—ソールズベリー駅—タクシー(20分)—ストーン・ヘンジ(1:00)—タクシー(20分)—ソールズベリー大聖堂(1:00)—ソールズベリー駅—各駅停車(1時間)—バース駅-徒歩(5分)—サーメ・バース・スパ—徒歩(5分)—バース駅—高速列車(1:30)—ロンドン(パディントン駅)
地図を見るとわかるように、ロンドンから南西のソールズベリーに移動し、その後北西のバースに移動、その後ロンドンに戻ってくる三角形のコースになります。同じルートを通らない上に鉄道会社も異なります(サウス・ウェスタン鉄道とグレート・ウェスタン鉄道)。
ちなみにロンドンまでは羽田発の直行便が出てるのでそれで来てます。まだ読んで無い方は前回の記事もどうぞ↓
切符はTrainlineで買おう
旅程が決まった時点で電車のチケットを購入します。イギリスを含むヨーロッパでは、鉄道のチケットは早く買えば買うほどお得になります。
イギリスの鉄道のチケットはいくつか購入方法がありますが、イギリスの鉄道公式サイト(National Rail)は割高で、Trainlineという予約サイトを利用することで割安なチケットを購入できるようです。
サイト自体は非常にわかりやすく、初歩的な英語が分かる人であれば購入できるようになっています。今回は行きをソールズベリー経由のバース行きで購入し、帰りをバースから直行でロンドンに戻ってくる切符を購入しました。
チケットには「Super Off-peak」というものがあり、これを利用することで片道20%〜40%くらいの割引を受けることができます。Super Off-peakとは、混雑しない時間帯に発着する電車を選ぶというもの。ヨーロッパの他の鉄道では列車固定の早割が多いなか、ここでは時間帯が固定されているだけなので万一の乗り遅れなどにも優しいのが特徴ですかね。
今回の金額は往復で70ポンド(1万円)でした。割り引いてもちょっと高い気はしますね。では出発です。
ロンドン・ウォータールー駅からサウスウェスタン鉄道でソールズベリーへ
まずはロンドン市内のホテルからウォータールー駅に移動します。ロンドンは目的地によっていくつか駅があって、ウォータールー駅はその中で西の方に向かう路線がある駅です。
ウォータールー駅はこんな感じ。イギリスの鉄道は他の多くのヨーロッパの鉄道と同じく、列車の到着直前まで番線(ホーム)がわからないので、電光掲示板の前には常に人が並んでます。夕方のラッシュ時刻になると結構な人たちが電光掲示板を凝視してますね。ちなみにドイツは番線が最初からわかるのでこの風景は見られません。
発車時刻まで時間があったので書店を散策してたらくまモンが居て笑いました。てか雑誌の装丁と色が合いすぎてて笑う。中も読んでみたんですが、うどんを食べるいろいろな人の写真だけが2ページに渡って載せてあってちょっと狂気を感じたね。
そうこうしてるうちに発車時刻になったので改札に移動。イギリスの鉄道は他のヨーロッパの鉄道と違って電気式の改札があります。なので切符を持ってないとホームに立ち入ることはできません。
しかしiPhoneに保存したTrainlineのチケットを改札にかざしても反応しない。駅員に聞いたら「スーパーオフピークは9:30からだよ」と言われました。現在時刻は8:45。8:50の電車に乗れないと旅程が狂うので困った困った。
困ったので「乗れないと困るんだけど」と駅員に言ったら「しゃーねーなー」みたいな感じでゲートを開けてくれました。それでいいんかい。ちなみにTrainlineのウェブサイトでオフピークの時間を調べたところ、ウォータールー駅のオフピークの時間は8:00以降と記載されてたので多分改札とウェブサイトの表記が合ってないんですな。まあ通してくれたんで別に良いんですけど。ドイツでもあったけど、基本的にこっちの鉄道職員は柔軟な対応(悪く言えば適当)で通してくれるので、出発地と目的地さえ合ってればわりかしどうにかなります。
8:50発のソールズベリー行きの特急列車に乗ります。車内はこんな感じで普通に狭い。2等車だからってのもあるけど、高速バス並のシートピッチで結構窮屈です。ただ電車自体はそれほど混んでないのでいうほど不快感はないです。ちなみに列車はディーゼルカーです。この路線は架線がないらしい。
ロンドン市内を抜けるとだんだん田園風景になってきます。途中でヒツジとかウマがいる場所もありました。
列車は途中で5駅ほど停車し、ストーン・ヘンジの最寄り駅ソールズベリーには1時間半後の定刻の10:20に到着しました。
ソールズベリーの駅はレンガ造りのこんなかんじ。まあ概ねヨーロッパではよく見るタイプの駅です。
ちなみに降りるときも当然ながら自動改札に拒否されましたが、駅員に「バースまで行くけど途中で降りていいよね?」と言ったらゲートを開けてくれました。真心運用。
ソールズベリーの駅からストーン・ヘンジまではバスが30分に1本(時期による)出てますが、今回は複数名だったのでタクシーを選択。運ちゃんに運賃を聞いてみたら往復で40ポンド(これは固定レートらしい)とのことなので、3人だしまあいいかと乗ってみました。
時速120キロくらいで一般道を走るスリリングなドライブを経てストーン・ヘンジのビジターセンターに到着。
冬のストーンヘンジは普通に寒い件
時刻は11時前ごろ。
タクシーで走ってると野原に突然、駐車場と近代的な建物が見えてきます。駐車場はガラガラですが、タクシーの運ちゃんいわく「夏場は車がぎっしりだよ」とのこと。近代的だけど温かみもあるビジターセンターに足を踏み入れました。
まずはストーンヘンジのチケットの交換からです。窓口は「当日券」と「オンライン予約」で列が分かれていますが、まあオフシーズンなのでどっちでもいけますね。今回はストーンヘンジの公式サイトで予約をしていたので、受け取りで並びました。11時半からのチケットだったけど11時でも普通に入れましたね。
ちなみに注意してほしいのですが、ストーンヘンジはともかく海外の名所の予約サイトは「そのサイトが公式かどうか」をよく確認する必要があります。時々さも公式のように見えるサイトでぼったくりをしていることがあるからです。あと入場券に見せかけてツアーとかもあります。まあ逆に公式チケットが売り切れてても旅行代理店向けのツアーで入るみたいな裏技もあるんですけどね。
受付を済ますと「シャトルバスが5分に1本出てるから好きなときに乗ってね」と言われました。見るとバスが出たばかりだったので少しばかり近くを散策。ビジターセンターのすぐ近くに「2500年前の住居」の展示がありました。
ストーンヘンジが建てられたのはおよそ2500年前くらいと言われており、その頃にはこんな生活をしていたんだ、という展示のようです。茅葺屋根に漆喰?のような住居です。外の気温は7度くらいでしたが、中にはいると意外と暖かかった。ここで焚き火したら十分冬は凌げそうなイメージ。
そうこうしてるうちにバスが到着。自分たちのほかは数名しかおらず、完全に空気輸送しています。この写真の右奥がストーンヘンジになっていて、バスはこの直線をまるで自動運転かのように一定スピードで走っていきます。多分早く走りすぎると紹介する音声テープが間に合わなくなるんだろうな。
そしてストーンヘンジへいよいよ到着! さすがにストーンヘンジ周辺は人が結構居ますね。
最初は曇っていたのですが、だんだん雲が薄くなって晴れ間が出てくるようになりました。
ちなみにパワースポットと聞いて来てたのですが、パワーを感じる以前にクソ寒い。気温7度くらいだけど、時折風が吹いたり雨がぱらついたりもするので体感温度はずっと下です。
さすがにずっと長居する元気はなく、ぐるっと眺めて30分くらいで帰りました。とはいえ、数千年前に作られた謎の遺跡を間近で見れたのはよかった。これで何を信仰してたんでしょうね。夢が膨らむね。
行ってよかったソールズベリー大聖堂、あまりにも美しすぎる
駐車場に戻るとタクシーの運ちゃんが待っててくれました。1時間くらい居たのに律儀に待っていてくれるとはありがたい…。往復40ポンドとのことだったけど、ありがたいので降りるとき5ポンド上乗せして払いました。感謝の気持ちはちゃんと形で伝えないとね。
というわけで運ちゃんに駅前を通り過ぎてソールズベリー大聖堂まで送ってもらって見学開始。
おおおお!なんという美しさ! 時刻は12時ごろで、だいぶ晴れ間がでてきましたね。
近くで見ても素敵! 尖塔の高さはイギリスの聖堂の中で一番高いんですって。
この苔むした感じがすごくいいですね。
ザ・海外って感じですな。
これは中に入らんといかんなということで中に入ります。入場料は7.5ポンドだったのですが、入ると中でおばちゃんが「無料のガイドあるけど聞く?」と言ってきたのでああオーディオガイドねみたいな気分で居たらおばちゃんがリアルボイスで説明をはじめました。外国人向けなのわかっててゆっくり発音してくれて嬉しいね。というよりイギリスの人は外国人に気を使って話してくれる傾向がある気がします。さすがジェントルマンの国。
中もすごい。ソールズベリー大聖堂ができたのは1258年。800年前ですな。でも着工から40年くらいで仕上がったんですね。着工から40年で出来たというのは、つまり当初の計画どおりに仕上がり、様式がブリティッシュゴシックですべて統一されているということ。他の大聖堂は完成まで何百年もかかることもザラで、その間に様式が変わったりしてゴテゴテしがち。ここの大聖堂は建築期間が短いが故にきっちり作れたと。なるほど、それがこの美しさなんですなぁ。
巨大なアーチを支える柱はこんな感じで黒い。ガイドのおばちゃんいわく、実はこれ化石らしいです。カタツムリの化石。
これは時計ですな。この時計に基づいて鐘がゴーンと鳴ります。チェコの時計博物館でも似たような形を見たことがありますな。おもりを朝巻き上げて、それが自重で落ちる力を使ってギアを回して時間を測るんですって。
ステンドグラスは後付だそう。ピューリタン革命が起きて教会の内装とかを一時期取っ払っちゃった時期もあったけど、後から整備しなおしたとか。
中庭もめちゃくちゃ綺麗です。この奥にマグナ・カルタの原本があるから見ていきなよと言われました。
ほんとだ! さすがにマグナ・カルタの原本は撮影禁止だったのだけど、後から別なガイドの人が複写版を持ってきてくれましたので雰囲気だけでも。
マグナ・カルタというのは1215年にイングランドを支配していたジョン王の圧政に耐えかねた貴族達が、王の権利を制限するために作った文書です。世界に先駆けて法治国家を歩み始めた功績は大きいですな。この文書は原本が4つ残っていて、そのうち最も良い状態のものがソールズベリー大聖堂にあるんだとか。確かに状態はよかったですね。
ガイドのおばちゃんが「こんだけの文章をペラ1にほぼ間違いなく手書きで書けるのがすごい」と言ってたけど、いやはやそのとおりだ。ちなみに文字サイズを詰めるために文字の形を工夫したり略語を使ったりと涙ぐましい努力をしているらしい。
そんなこんなで色々話を聞いてたら1時間くらい経ってました。
時刻は1時ごろ。そろそろ駅に戻ろうかという感じです。
ソールズベリーからバースへ1時間ほどの旅
ソールズベリー大聖堂からソールズベリー駅までは歩いて10分ほどの道のりですが、間に公園があっていい感じです。
間にある小川もこのとおり。イングランドって感じで素敵ですなぁ。
ソールズベリー駅でコーヒーを飲みながら電車待ち。田舎の駅って感じですね。ちなみにコーヒー売ってた売店の姉ちゃんは超やる気なかったです。
電車は各駅停車の3両編成だけど、なんと車内販売があります。ただ車内販売のワゴンよりも店員のほうが横にめちゃくちゃでかくて移動するのに難儀してました。やばい大きさだった。
ソールズベリーからバースの間の景色はこんな感じで丘陵地たちが広がるのどかな風景。ロンドンとかの都市部もいいけど、個人的にはやっぱりこういう田舎の風景が好きかなぁ。
ソールズベリーから50分ほどの乗車でバースに到着。バースは建物の色が統一されてて町並みがとっても綺麗です。
街はクリスマスムードが漂ってます。イギリスの人に「バースに行ってきたよ」と言うと「きれいな街だったでしょう?」と言われるけど、たしかにその通りだね。
そうこうしてるうちに目的地のサーメ・バース・スパ(Thermae Bath Spa)に到着。要するに「テルマエ温泉」みたいな感じっすな。
入場料はおよそ5000円で2時間制と超割高ですが、中は温水プールみたいな感じで、水着を来てうろうろする感じです。残念ながら撮影禁止なので写真は撮ってないけど、屋上の露天温水プールで大聖堂とバースの町並みを見ながら過ごす時間はとっても贅沢でした。
2時間を満喫して帰路へ。バースからロンドンまではグレート・ウェスタン鉄道の高速列車が1時間半で結びます。
最高速度は200キロとかなり高速。車内も広々としていて快適でした。これなら5000円払っても文句はないかなという感じ。ひたすら前回のブログを書いてるうちにパディントン駅に到着しました。
到着時刻は20時30分。およそ12時間くらいの旅だったけど、とっても満足感があってよかったです。強いて言えばバースをもう少し観光したかった感も無きにしもあらずだけど、それやると夜が更に遅くなっちゃうしね。
イングランドの田舎のほうはロンドンとは違う風景を楽しめるし、のどかで空気もおいしいのでおすすめです。ロンドンの渋滞に飽きてきたらぜひイングランドまで足を伸ばしましょう。
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