Cities:Skylines界隈で活動していて、気づいたら公式でDLCまで発売されたので少し振り返りをしようと思う

こんにちは神乃木です。久しぶりのブログ更新になります。

昨今の情勢で色々と心労が募る今日この頃ですが、個人的には嬉しいニュースがありました。

恐らく読者の方もほとんど知っていると思われる「Cities: Skylines」というゲームの「Modern Japan」というDLCが発売されたことですね。

Modern Japan とは何なのか

今更説明不要かもしれませんが、簡単にModern Japanについて説明。

これはCities: Skylinesという都市開発ゲームのアドオンとして発売されたもので、日本風の街づくりに使える建物が20個追加されるというものになります。

Cities: Skylinesをお持ちの方でまだこのDLCを買ってない方は、ぜひ以下のリンクから買ってみてください。

ここまでこのゲームは日本語翻訳すら公式で提供してこなかったので(有志による翻訳に頼りすぎ……)、このDLCを出すオファーがParadoxから、しかも自分宛てに来たときにはびっくりしました。

Modern Japanには、市役所やレストラン等大小20の建物が収録されています。

オファーが来たのは去年で、発売されたのは今年。実は結構着手から発売まで間が開いていたので、その間「もし自分が作ってる建物と似たようなものがWorkshopに上がったらどうしよう……」と戦々恐々としていました。

が、そういった懸念は杞憂になり無事リリース。一部からは同時発売された公式のDLC「Sunset Harber」よりも良い、といった声ももらい、ありがたい限りです。

Modern Japanの購入ページはこちら

公式が出した作者の声にも書きましたが、これは間違いなく自分にとって一つの節目なのかなぁと思います。なので、良いタイミングですし、ここで振り返りでも少しやろうかと思います。

Cities:Skylinesでの活動を始めたのは2017年の11月から

私がCities: Skylinesに出会ったのは2015年くらいの発売当初だったのですが、買ったにも関わらずしばらく積んでいる期間がありまして、実際本格的に遊び始めたのは2017年の秋頃からです。

当時は「ジオラマプレイ」なんて言葉は存在せず、基本はバニラに毛が生えたような状態でプレイしてたのを思い出します。

ただその頃一人の動画製作者に出会い、「このゲームやべえな!」と思ったんですよね。その作者の動画がこれ。

当時は全般的に黄ばんだライトで野原にYakisobaみたいな建物を建てて喜んで、その後しばらく積んでたのですが、それがこの動画を見て「えっこのゲームこんなことできるの!?」と驚いたのをよく覚えています。Cities: Skylinesの可能性を知らされた動画でした。

慌てて積んでたCities: Skylinesを再開、MODを大量に入れてゲームをスタートすると、「なるほどこういうプレイがあるんだな」と思いました。面白かったので「誰も見ないだろうけどプレイ動画でも上げるかw」と思い、特に何も期待せず動画をアップロードしたのが2017年の11月。最初の動画はこれでした。

まあ見ての通りヨーロッパ風の町を作るものでした。この年は初めてチェコに行った年だったので、だいぶそれの影響を受けていますね。

日本人がヨーロッパ風の町を作ってもそれほど再生数が伸びるわけではなかったものの、当時の再生数が2000〜3000くらいで、数百程度と予想していた自分からすると「あれ?思ったより多いな?」と感じたのを覚えています。

ただ、やっぱりヨーロッパ風の風景には限界を感じ、方向を早々に切り替えていくことにしました。

初めての日本風ジオラマプレイ

ヨーロッパ風の町並みをやめて約2週間。ここで私が初めて「日本風の町並みをCities: Skylinesで作る」という動画をアップします。それがこれ。

このゲームは欧州産のゲームなので、当時から英語話者が動画を見ることを計算しており、日英併記の字幕動画を出すスタイルにしていました。

そしてこの動画が思った以上に大ヒット。今見るとまだまだ至らぬ点が多いし、何より日本風のアセットが不足している感はかなり否めないのですが、それでも当時からすればかなり目新しかったのだろうと思います。後から知ったのですが、どうやら日本の風景をジオラマプレイで作るという概念を始めたのはどうやら私が最初だったらしいです。真偽のほどは確認していませんが。

これに味をしめた私は更に日本風の動画を投稿。ただこっちはあんまり伸びませんでしたね。とはいってもそれなりの再生数はいっており、改めて需要の高さを感じた次第です。

そしてこの頃から、「どうやら日本市場も結構大きんじゃないか?」ということに気づくようになってきました。Youtubeの比率を見ても、たしかにそもそもが日本風の風景なのでバイアスはかかっているにせよ、日本人視聴者が7〜8割はおり(これは今も変わらない数字です)、実は結構プレイヤーも視聴者も多いのではないかという気持ちになってきました。

とすると、日本風の風景をもっと作れるようにしなくちゃいけないですね。なので始めました。3Dモデリング。

動画投稿を始めて2ヶ月でついにアセット制作に手を出す

3Dモデリング自体は学生時代に少しだけかじっていたことがあり、それほど抵抗感はありませんでした。ただ学生時代に使っていたモデリングソフトは学生限定で無料のAutodesk 3ds maxだったので、別なソフトを覚え直す必要がありました。

その段階でSketchUpというソフトを知り、まずはそこから始めてみました(これから始める方はSketchUpではなくBlenderを使うように!)。

そして初めて作ったのがこちらの看板セットですね。

今思えば少し白すぎですが、実物の看板を見ながらPhotoshopでテクスチャをシコシコ作ってたのを思い出します。もともとWeb制作の仕事をしていたので、Photoshopの扱いにあんまり困らなかったのは大きいですね。

そんな感じで、動画制作とアセット制作の両輪を回しはじめ、気づいたら結構な視聴者・プレイヤーに認知されるに至りました。

なかでもこの動画は、現在で80万再生、当時も出た後から一気に盛り上がりを見せた動画で、この動画がきっかけで自分を知ってもらうことも多かった用に思います。

恐らくCities: Skylinesのプレイヤーはほとんど見てるんじゃないかってくらいの再生数ですね。自分でもびっくりしましたし、今でもこれを超える動画は作れてません。

でもそんなこんなで、気づけば2年半近く、このゲームのジャンルで活動を続けてくることができました。大抵の趣味は、だいたい「飽きた」「辞めたい」と思うことが多いのですが、このゲームに限ってはそれがなく不思議に思っています。なぜなのか考えてみたいと思います。

動画制作とアセット制作のモチベーションはどこから来るのか?

このジャンルに手を出す前は、私はいわゆる同人界隈と言われるところで、東方や艦これのアレンジCDを作る、いわゆる「DTM(パソコン作曲)」をやっていました。同人制作っていうのはなかなか心が折れる作業で、特にDTMについては死ぬほど金がかかり、機材への投資はパソコン含め200万以上ありました。

それだけの投資をした上で、1曲あたり50時間とかそのくらいかけて曲を作るわけですが、その曲をTwitterに投稿したらどうなるか? せいぜい20Likeとかそのくらいついて終わりだったんですよね。そもそも音楽だけ作っても発表できる場所がない(年2回の同人イベントくらい)、そして労力が評価に見合ってない感が常につきまとい、制作するのが結構苦しかったです。

他方Youtubeとワークショップはどうか? 例えばマンションのアセットを1つ作るのにかかるのは10〜15時間程度。アップするのは好きなタイミングでOK。Youtubeの動画なら、プレイするのに15時間、編集するのに10時間程度。アップするのは好きなタイミング。そして何より、作るのにもプレイするのにもお金がかかりません。しかも、お金がかからないどころかYoutubeから広告収益が来る。

こんなに楽しいことがあって良いのだろうか? と思いましたね。私が制作するアセットや動画は、他の人から「よくそんなに気力が続きますね」と言われることが多いのですが、私からすれば「DTMより1000倍マシ」なんです。良くも悪くもDTMで精神的な苦痛耐性を得すぎてしまったので、無自覚に根気の要る作業を黙々と進めている可能性が高いです。

ただ、やはりそういったアセット制作の中でも大変なものは大変で、制作に1ヶ月以上かかるようなものは結構あります。アセットはどれだけ作っても有料で発表できる仕組みはないので、少額の寄付をもらったり、Youtubeの広告収益をもって「全体的な収支はプラス!」と考えるようにしていました。まあ、昨今は再生数もだいぶ下がったというか、視聴者の目が肥えて、同業者が増えたんだなと思いますけどね……。

日本Discordサーバーを作った

動画制作やアセット制作と並行して、Cities: Skylinesの日本Discordも作りました。

それまでのCities: Skylinesの日本コミュニティというのは2chが主流で、誰もが匿名であるがために個人の識別がしづらく、しかも荒らしによる妨害や音信不通も多く発生しており、コミュニティとしての信頼性の低さを感じていました。

そこで、日本向けのDiscordサーバーを自分で作り、情報交換がそこで行えるようにしたのが2018年の3月。今ではサーバー参加人数1600人と、かなりの大所帯になりました。もちろん運営にあたってのいろいろな問題はあったわけですが、もともとこのゲームは誰かと競い合うタイプのゲームではなく、他のサーバーに比べて治安の良い人たちが多いような気はしています。

基本「俺の作った街を見てくれ」というコミュニティなので、諍いなどが発生しにくい

こんな感じで、①動画作り ②アセット作り ③コミュニティ作りという三本柱で活動をしていった結果、目算でみても日本人のプレイヤーはかなり増えたように感じます。コミュニティが大きくなればなるほどアセットの需要は高まりYoutubeの再生数も増えるので、結果的にはやって正解だったなと思っています。

そしてこの3つの活動が実を結んだのか、昨年Paradox Interactiveより「NDAにサインしてデベロッパーのコミュニティに入らない?」とお誘いが来たのです。

オフィシャルで動画を出したりDLCを出したりする

Paradox Interactiveからのお誘いは、正直思っても見ないものでした。もともとこのゲームは「Modderは好きにしてくれ」というスタンスだったのですが、昨年くらいから方針を変えたようで、Modderやアセットクリエイター、そしてインフルエンサーの人たちは積極的に取り込むことにしたようです。

公式コミュニティには誰もが知るようなModder、Youtuberなどのたくさんの人たちがおり、さながら天上界といっても過言ではありません。ただ言語がオール英語なので、ついていくのには難儀しますが……。

去年の10月にはベルリンにお呼ばれして、PDXConというイベントにも参加してきました。有名人たちのリアルを見れて個人的には面白かったですね。

画像
PDXCONの風景。最後はParadox Interactiveの社員たちが演奏会をやっていました。

そんな中でDLC制作のお話があったので、最初は「何で自分に!?」とも思いつつも、ほぼ二つ返事で依頼をお受けした次第です。恐らくですが、向こうで依頼先を考える時、①動画配信をやっていて影響力がある ②それなりの品質のアセットを作れる ③英語での意思疎通が可能 という3点が買われたのではないか、と自分では思っています。

特に①と②を両方やってる人というのは、海外含めてもほとんど見たことないです。コンスタントに動画もアセットも作るのは結構大変ではあるのですが……。

これからどうするよ?

まあそんなわけで、長々と語ってきましたが、これがここまでのCities: Skylinesでの活動です。活動開始から2年半も経ちましたし、ある意味たった2年半しか経ってないとも言えますね。ネット時代のスピードの速さを切に感じる次第です。

今後の活動内容としては、今とそれほど変えるつもりはないものの、少しずつ新しい要素を取り入れたいとは思っています。特に今年は5月にCSL Contestもあるので、それを意識した水辺のアセットとかも作りつつ、徐々に有償依頼の方も増えてきたのでそっちもやっていければなと。

あと今年は流石に223系のリメイクもやりたいですね。古いアセットでも根強く使われているものはあるので、そういったものを少しずつブラッシュアップする時間もどこかで取りたいです。

動画の方は配信メインでやっていくほうが、皆さんから意見を聴いたりスパチャを貰えたりしてモチベーションになることが分かったので基本はその路線で。ライブ配信だと英語で話す機会が減るのでグローバルの人と少し関わりが薄くなるのは残念なんですが、それは何らかの方法でカバーしたいと思います。英語力も目下強化中なので、今後より一層コミュニティに入っていけたらいいなと思いますね。

そんな感じの振り返りでした。

 

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