Audi A4アバント(B9)に4年乗りました

以前ブログにて「レガシィツーリングワゴンに乗りました」という話を書いてから、気づけばもう5年近く経過していました。

レガシィから乗り換えた先はAudiというメーカーのA4アバントという車なのですが、およそ4年間にわたって世話になりました。本当はもう少し長く乗っていたかったのですが、先日、信号を無視した車に突っ込まれて廃車になってしまいましたので、思い出を書き記しておこうと思います。

この4年間、気づけば自身のライフステージや価値観、暮らしなども色々変わったと思います。一番大きいのは結婚したことと家を買ったことかなと思います。激動ともいえる4年間を支えてくれた車には感謝の気持ちしかありません。

なぜA4アバントに乗ることにしたのか

2022年3月(納車直後)、野辺山付近にて

この車に乗ることになった直接の理由は、「一度でいいから輸入車に乗ってみたい」という、車が好きな男子なら一回は抱くであろう願望によるものだと思っています。

その中でもAudiのもつブランドイメージと「A4」シリーズの車の完成度の高さは指折りでした。特に、四輪駆動の歴史を変えたAudiのQuattroシステムは、自動車史の中で確実な存在感がありました。ただ、当時はまだ妻ではなかった妻と「シートメモリーがほしい」という話をしていましたので、とにかく予算内でその個体がなかなか見つからないことが課題でした。

新車は高すぎるので中古車で探していましたが、2021年当時のA4はまだ「B9」と呼ばれる1つ前の世代がメジャーで、新型の「B9.5」はコロナもあり市場在庫が少なめという状態でした。

その世代にシートメモリーがついているのは「ラグジュアリーパッケージ」と呼ばれる珍しいパッケージを積んだ車だけであり、大半の個体が「Sラインパッケージ」を採用している故、機能要件を満たさない個体が多かったです。

当時4~5ヶ月は色々なショップの在庫を探していたのですが、ようやく、認定中古ではないものの別なブランドのディーラーをやっている店で取り扱いがあったので、そこで決めることにしました。距離は1.8万キロしか走っておらず、まだまだ走れそうな個体でした。

A4アバントとの思い出

2026年8月、白樺湖付近にて

252馬力のQuattroモデルの加速力やコーナリングの質感は上質で、山道でも何の問題もなく登るし、高速道路での走りも最高で、何時間でも運転していたくなるような、運転自体の楽しさを教えてくれた車だと思います。

長距離のドライブにも良く出かけました。最長で神戸までですが、京都、伊勢、名古屋、浜松、那須、房総、伊香保、大洗など、色々なところに出かけた記憶があります。仕事が忙しくなかなか時間が取れませんでしたが、「日帰り」で行ける距離が結構長いので、天気の良い時には関東一円どこでも目的地になっていました。

レンタカーを借りたり、他の車を運転したりして戻ってくると、自分の車の上質さが際立つように思いました。これが思い入れというものなんだろうなと思いました。普段車に乗っていて「この車はいい車だなぁ」と実感することはあまりないと思うのですが、この車に関してはそう感じるところが多かったです。

それは例えば、深い雪でもスタックしないことであったり、凍結路で滑りそうになったときの立て直しであったり、冷暖房がすぐに効くことであったり、Bang & Olfsenの高音質なスピーカーで音楽が聞けることであったり、高速道路で3時間連続で運転しても疲れないことであったりして感じるわけです。

何よりも、日々を暮らす中で、何でもない瞬間に駐車場等で自分の車を見つけた時に、「お、いい車だな」と感じられることはどれだけ幸せなことか、これこそが「所有する喜び」なんだろうなと感じました。

ただし、「所有する喜び」には高い代償が伴うのも事実です。

考えうる最悪の故障を引き、人生を狂わせた個体

2025年2月、白樺湖付近にて

この個体については、正直故障がとにかく多く、人生を狂わされたと言っても過言ではないと思います。

なかでも最悪の故障は、納車から8ヶ月、たった2.4万キロしか経っていないときのこと。突如としてエンジンからカラカラという異音がしました。

納車から8ヶ月経過していたため、ショップの6ヶ月保証は期限切れ。近所のディーラーに入庫します。入庫の結果「カムシャフトの劣化による異音」と診断され、修理費が50万円の見積もりが出てきました。

納車半年で修理費50万は「輸入車の洗礼だなぁ」と思いつつも、この頃はまだ修理して乗ることに決める余裕がありました。修理が終わるのを1ヶ月ほど待っていたのですが、その後ディーラーから絶望的な連絡が来ます。

「カムシャフトの交換だけでなく、メタルまでブローしているので、エンジン全体の交換が必要」という連絡です。

この時点で修理費は50万どころではなく、なんと約175万円にまで達していました。当然、認定中古車ではないのでエンジンの不具合は保証されません。当時2.4万キロでしたが、早々に決断を強いられました。

伝説の「エンジンASSY修理175万円」の請求書。今後一生見ない額の修理費であり、今後一生の車の修理費が全て「エンジンより安い」で済んでしまう、人生観が変わってしまった請求書

もし、憧れの車が納車8ヶ月後に175万円の故障と言われたら、どうするでしょうか。たった8ヶ月だけA4のオーナーを味わい、その後は軽自動車の新車か、普通国産車の中古に戻るか。

妻ともよく相談し、考えた結果は、維持することにしました。

ここで手放すと、恐らく二度とAudiというブランドの車には乗らないし、今後の人生、町中でAudiを見かける度に、「自分には維持できなかった車だ」と思いそうな気がしたからです。ほぼ、意地の世界だったといえます。

修理は3ヶ月に及び、翌年23年の1月。175万円をクレジットカードで決済するときは流石に手が震えました。

ちなみにこの数年後、家を買う時に予算が足りず「あと100万円あれば……」と思う場面がありました。ここで無理して直していなければオプションも少し豪華にできていたかもしれません。もしかしたら、住む場所さえ変わっていたかも知れない。そういうところは、人生だなあと思います。

話は若干逸れますが、20代を終えて30代になってから、この手の「二度とやり直せない類の選択」の場面が増えてきたように感じます。この決断は、私と妻にとっては、自分たちの生き様や価値観を決定づける極めて大きな決断だったと思います。

この頃は毎週「瑞城市」というCities: Skylinesでのまちづくり配信をしていましたが、配信がお葬式のような気分だったのを覚えています。その頃のアーカイブも残っています(冒頭でテンション激下がり)ので、よろしければぜひご覧ください。

あの時「直す」という選択をしたこと自体に悔いはないですが、買う時に認定中古車にしていれば、あの個体を見送りさえすれば、という「買い方」に対する後悔は残りました。輸入車を買うときには絶対に認定中古車を買うべきだと、私は強くおすすめしたいと思います。

維持費は安くないが、それでも「この車で良かった」と感じた場面

2023年2月、那須にて。この車で「雪道が怖い」と思ったことは一度もなかった

ちなみにその後も、オルタネーターのプーリー脱落(恐らくエンジン交換時の組付け作業によるもの)で10万、サーモスタットの故障で25万、ブレーキのセンサーで5万といった具合に、年に1回くらいはどこかが壊れ、数万円以上の支出が突拍子もなく訪れるということが続きます。他にこの車に乗っている人の話を聞いても(見ても)、ここまで故障頻度が高い個体というのはあまり存在しないので、単純に運が悪かったのだと思います。また、この車は初期ロットにかなり近いというのも理由の一つだと思います。

そしてつい先日、この車は赤信号を無視した車に交差点で突っ込まれ、事故で全損・廃車となってしまいました。走行距離は約7.5万キロ。2.4万キロでエンジンを交換していますから、あと5万キロくらいは乗れるつもりでいましたが、別れの日は突然来てしまったわけです。あまりオカルトな話は信じない私ですが、「不運な個体」というのはあると思いました。

ただ幸いなことに、私も、同乗していた妻も怪我は軽傷で済みました。相手側はかなりの速度が出ていたので、もしもこの車でなかったら、横転であったり、もっと悲惨な事故や怪我につながっていた可能性は多いにあります。後に修理工場で被害を確認しましたが、結構なダメージが車に入っていました。

皮肉なことに「この車で良かった」と私が感じた最後の瞬間は、衝突事故の瞬間だったと言えます。

正直なところ、事故の前までは「あまりにも維持費が高すぎるので、次買い替えるなら別な車にしよう」という話を妻としていました。高い維持費を払って上質なドライブを楽しむのも悪くはないが、もう少し維持費の低い車にしても良いと思っていたからです。

ですが、いざ事故を経験するとその考えはだいぶ変わりました。車を選ぶ際の絶対譲れない基準に「万一の際の安全性」というものが入りました。維持費だけでは見えない部分は確実にあると思います。

4年間この車と共に過ごしてみて

2026年4月、大洗海岸にて。多摩地域からだと片道3時間くらいはかかる長距離ドライブだったが、オートクルーズなども駆使してラクに走れるのが良いところ

振り返ってみると、たったの4年。しかし、結婚して引っ越しをし、家を建てるまでという人生でトップクラスに忙しない4年間を共に駆け抜けた良い相棒だったと思います。

正直なところ自分の暮らしでは購入・維持するのはだいぶ背伸びだという自覚がありましたが、背伸びしてでも維持するだけの価値を感じられる車であり、この車があるからこそ、仕事や創作活動を頑張るモチベーションになっていたのも事実です。そういった意味では、少しだけ背伸びした暮らしをすることの大切さを体で学びました。最初は背伸びでも、いずれ背が追いついてくるような感じです。

そして、今回は事故で車を買い替えることになり、保険が下りましたので、本来はもう少し低予算・低維持費な車にする予定だったところ、結局次の車もAudi A4の後継(「A4」の最終型)に決めました。事故の処理自体が初めてで、通院含め大変な苦労があり、「もらい事故なのに何でこんな想いをせねばならないのか」という悔しさや不満も多分にありましたが、新しいA4にまた乗れるということで、ポジティブに切り替えていこうと思います。

性懲りない選択であり、親からは「代わり映えがしない」友人から「コンサバすぎる」と言われますが、安全性、勝手知ったる使い心地を考慮し、そして何より「もう少しこの車に乗っていたい」という気持ちが勝りました。

今度は認定中古車で新車保証が残っているもの、2年の延長保証を付けて計5年の保証がついています。エンジンでもトランスミッションでも、壊れた際にはしっかり保証してもらえますし、メンテナンスパックにも加入します。グレードも、QuattroからFFに落としましたので(Quattroの性能はうちの使用環境では持て余してしまうため)燃費や部品代も少しは安くなり、今までよりは多少維持費も下がると期待しています。

この記事を最後まで読んでくれた皆さんは、ぜひ運転する際には「世の中には信号を無視するドライバーがいる」ということと、輸入車を買う際には認定中古車を買うということを、ぜひ覚えておいてほしいです。身体と経験で学んだ私からのアドバイスです。

最終型A4の感想は、またいずれ書こうと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

感想をお聞かせください。

  • ためになった・面白かった (0)
  • ためにならなかった・面白くなかった (0)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)