鉄道好きなら安心して読める1冊:「RAIL WARS!―日本國有鉄道公安隊」読了

「もしも国鉄が分割民営化されずに残っていたら、どうなるだろう?」

鉄道が好きな人なら1度は考えるこのテーマを、ライトノベルとして描き起こした一冊。
この本の作者は「僕は君たちほどうまく時刻表がめくれない」も執筆しているので、その方面の人なら知っている人も結構いるかもしれない。

鉄道高校に通う主人公が、鉄道会社のOJTとして研修する配属先が、なんと鉄道公安隊だった、という話。
鉄道公安隊は実質上の警察組織。道案内からひったくり、テロ予告まで、国鉄管内で起きたことはすべて対応しなくてはいけない。
そんな中に放り込まれた主人公が、自覚はなくともたくましく成長していく様子を、ボーイミーツガールで色付けしつつ描かれている。

僕は君たちほどうまく~のシリーズは正直「まぁまぁ」という具合だったが、こちらはそれなりに話が推敲されており、読みやすく面白くなっている印象を感じた。
驚くようなどんでん返しはないけれど、次々に襲ってくる事件は飽きさせないし、人物描写もスタンダードに面白い。
逆にいうとスタンダードすぎてストーリー上の特色はないんだけど、テーマがテーマだしキャラも悪くないので続きは買ってみたいと思える一冊。

ただ鉄道に興味が無い人、よく分からない人からすると結構読みづらい、かもしれない……。
あと、細かいことにツッコミを入れていると負けである。

エンターテインメントとして充分楽しめるし、鉄道関係の話を考察しだすとキリがないので今回はこのへんで。

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